雑感

なぜドイツは生産性が高いのか?タスク管理を考える前に必要な業務プロセスの設計の重要性。

Tomoe KOBAYASHI

オンライン秘書・事務代行サービスのガーデニア代表小林です。

先日、長期でご契約をいただいているクライアントさんと、「なぜドイツは生産性が高いのか?」という話になりました。
ちょうど、ドイツがGDPで日本を抜いて3位になったというニュースもありましたし、ドイツ経済が注目されています。

ドイツの生産性が高いのは昔から有名な話で、労働基準法が日本よりもはるかに厳しく、残業が基本的に禁止されていたり、いわゆる有給休暇の数が多かったりするわけですが、改めて自分が勤務していたドイツ系の会社のことを思い出しています。

当時の私は20代半ばでした。前職の不夜城(笑)と呼ばれていた日系企業と違って、毎日のタスクの書き出し提出とマネージャーによるチェックを受ける日々が新鮮で、やがて全く残業もしないし休みもたくさん取得できるようになっていったので、ドイツ人のタスク管理ってすごい!と思っていました。

その後、ドイツ人に話を聞いたりドイツの書籍を読んで、どうやらドイツ人は家庭教育・学校教育で既に整理整頓とタスク管理をしているということを知り、なるほど!と思ったんですね。

一方で日本では、個人が自分のタイムマネジメントをする教育がないので、タスク管理に悩む人がとても多いと気づきました。

なので、このオンライン秘書サービスでは起業家さんに人気のタスク管理プランを提供することにしたのですが、これまで20名ほどの方のタスク管理(経営者の方も、従業員の方も含む)をしてきて気づいたことがあります。

それが、タスク管理は確かに完ぺきにできているけど、生産性向上や利益増大につながっていないケースがある、ということです。

つまり、目の前の業務をやっつけているだけで、その業務が実際にはやらなくていいこと、無駄なことであるというケースです。

ここにきて私は、自分が20代のころにドイツ企業で体験したタスク管理が効果的に機能していた背景にあるものを理解したのですね。

その背景とは、効果的な業務プロセスの設計や管理という上位工程です。

なぜドイツの会社はこんなに楽で残業もないのにお給料が良くて、日本の会社は残業だらけで低賃金なのか? その理由はタスク管理なんじゃないかと20代の頃は思っていましたが、それは当時単なる平社員だった私の見える範囲での理解でした。

結局、タスク管理が真に機能する業務プロセスの設計や管理こそが、生産性の鍵を握っているのですよね。

・・・思えば、私が勤務していたドイツ系企業では、業務分掌、職務分掌と各プロセスオーナーの明確な責任設定がなされており、良い意味で歯車が上手にかみ合って回っていました(同時にそれは、独立志向の強い管理職が案件を持ち逃げ独立することもある業界でそのようなことができな抑止力にもなっていました)。

結局、業務プロセスの設計や管理がもともとできているクライアントさんや企業は短時間労働で成果を上げていますし、外注化もスムーズで、万一のリスクのときのリカバリも早いし、外注コストも低くなる傾向にあります。

タスク管理・スケジュール管理は秘書の基本業務ですが、単に湧いてくるタスクやスケジュールのリマインドをするだけなら、アプリでもAIでもできる仕事です。

やっぱり、業務プロセスをいかに設計し管理するか? この上流工程の設計の良し悪しこそが、タスク管理・スケジュール管理の成否を握っているのだと思います。

それは、ネガティブな側面から語るなら属人化やブラックボックス化というリスクを避けることですが、

ポジティブな側面から語るなら今日本人に最も求められている生産性の向上ということになるのでしょう。

ここ最近、単なるオンライン秘書を超えて、管理体制やバックオフィス全体の仕組み化を手伝って欲しいというご依頼が多いのですが、もしかすると今後は、こういうところでクライアントさんに貢献していくことが私に求められているのかもしれません。

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ガーデニア代表小林
ガーデニア代表小林
全体像を意識しながら伴走するコンシェルジュ型秘書/事業の扇の要となるChief of Staff(CoS)
タスク管理スケジュール管理を中心に、フリーランス・個人起業家・社員10名程度までの中小企業さんのバックオフィス業務と事務局代行、事業の要をつくるChief of Staff(CoS)サービスを提供しています。 ※詳しいプロフィールはこちらから
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