業務の属人化はしてもいいけど、ブラックボックス化すると事業にとって致命的リスクになる。
オンライン秘書・事務代行サービスのガーデニア代表小林です(詳しいプロフィールはこちら)。
ここ最近、長くお付き合いしているクライアントさんから、コンシェルジュ型秘書的な業務を任されることが増えてきています。いわば、エアー社員的な関わり方を求められることですね。
上記の図は当サービスのラインナップを可視化したものです。
コンシェルジュ型秘書は、一番左側の、かなり深くクライアント様の業務の懐に入っていくコミットメント度の高い業務です。
そのため、ある業務プロセスに関しては私だけがほぼ管理して回している・・・みたいな状況になることがかなりあります。いわば業務の属人化です。
このように任せていただけることは信頼の証だなと光栄に思う反面、クライアントさんの事業の安定的な継続を考えた場合、恐ろしくなることがあります。
たとえば、私に何かの悪意があった場合はもちろんのこと、悪意がなくてもブラックボックス化した挙句に私に何か事故があって業務を続けられなくなった場合、この業務プロセスがストップしてしまい、最悪クライアントさんの事業に致命的なトラブルを巻き起こす可能性もあると考えて恐ろしいと思うのですね。
実際、こういう事例は会社員時代に何度も見てきています。
ある業務が属人化しかつブラックボックス化していて、その業務を担当していた社員や外注業者さんがが突然辞めたり不慮の事故で亡くなられた結果、その業務が滞る。そして、最悪顧客からのクレームや失注ないし取引停止といった致命的なことが起きてしまったという事例です。
このような状態になると、仮に致命的なことは起きなかったとしても、リカバリのためにお金と時間がものすごくかかります。また、何らかの重要プロジェクトが途中で頓挫する原因になったりもします。
事業にとってこうした損失やコストは非常に手痛いものですので、事前の策を講じておくことはとても重要だと考えています。
そのため、クライアント様から要望されていなくても、当サービスに属人化している業務については、なるべく可視化と共有化を心がけて、万一起きるかもしれないリスクを可能な限り少なくするようにしています。
具体的には、
- 業務プロセスの可視化と共有
- 重要データ類の整理
- マニュアル類の随時更新
こうしたことを業務の遂行と並行して行っていくということですね。
正直、いつでも契約解除の可能性にさらされている外注業者としては、自サービスに業務を属人化させつつ同時にブラックボックス化させることで、ずっとクライアントさんを依存させた方がビジネスとしては安定するのかもしれません。
つまり、「ガーデニアの小林さんに聞けば分かる(ガーデニアの小林さんに聞かないと分からない)」という状態に意図的に持って行くことです。
ですが、このような状態は私にはメリットがあっても、クライアントさんの事業にとって何らメリットがないばかりかリスクが高いので、そのような状況になったとき・なりかけたときは、ご要望にお応えしつつも、同時に私から切り離されても機能する仕組みを作れるようにしています。それが誠意かなあ、と思うんですよね。
だって、クライアントさんを勝たせるとか、クライアントさんのために、ということを考えたら、絶対的に属人化の末のブラックボックス化は望ましくない。
事務代行やオンライン秘書というBPOサービス提供者は、ポジショントーク的に「雑務やノンコア業務を外注しましょう!」って提案しますが、何も考えずに安易に外注化すると、業務プロセスの管理権をBPOサービス提供者側が握り続けることになり、業務の属人化の末のブラックボックス化が進んでしまう結果になります。
性格的に私は、リスクを相手に与える仕組みには美しさを感じないので、オンライン秘書や事務代行を名乗ってはいますが、ずぶずぶの関係(笑)で居続けることは好まないです。
家や部屋の整理整頓アドバイザーがいますが、今後、業務プロセスの整理整頓アドバイザー的なサービスも立ち上げていきたいなあ、と思っています。