BPO(事務代行サービス)には光だけではなく闇もある。オンライン秘書を依頼する前によく考えておくべき重要なポイントについて。
オンライン秘書・事務代行サービスガーデニア代表の小林です(詳しいプロフィールはこちら)。
オンライン秘書・事務代行サービスを提供する業者としては、外注化ありきでその素晴らしさを謳うというのがポジショントーク的に正しいのかもしれません。
でも、あえて、BPOサービスの負の側面というか、この手の代行サービスを利用しているお客様の側から見たデメリットをお伝えした方がいいのではないかと思って、この記事を書いています。
私は、ニッチなジャンルのBPO企業に勤務していた経験もあり、また、BPO企業への発注側であった経験も長くあります。自分自身の事業で事務代行を発注する側も経験しています。
まず、BPO企業というのはサブスク型のサービスですので、なるべく長く自社のサービスを継続してもらいたいと思っています。それこそが自身の事業の継続にとって必須だからです。
そのため、時にこんなことが起きます。
以前、こちらの記事で書きましたが、
正直、いつでも契約解除の可能性にさらされている外注業者としては、自サービスに業務を属人化させつつ同時にブラックボックス化させることで、ずっとクライアントさんを依存させた方がビジネスとしては安定するのかもしれません。
つまり、「ガーデニアの小林さんに聞けば分かる(ガーデニアの小林さんに聞かないと分からない)」という状態に意図的に持って行くことです。
ですが、このような状態は私にはメリットがあっても、クライアントさんの事業にとって何らメリットがないばかりかリスクが高いので、そのような状況になったとき・なりかけたときは、ご要望にお応えしつつも、同時に私から切り離されても機能する仕組みを作れるようにしています。それが誠意かなあ、と思うんですよね。
だって、クライアントさんを勝たせるとか、クライアントさんのために、ということを考えたら、絶対的に属人化の末のブラックボックス化は望ましくない。
事務代行やオンライン秘書というBPOサービス提供者は、ポジショントーク的に「雑務やノンコア業務を外注しましょう!」って提案しますが、何も考えずに安易に外注化すると、業務プロセスの管理権をBPOサービス提供者側が握り続けることになり、業務の属人化の末のブラックボックス化が進んでしまう結果になります。
性格的に私は、リスクを相手に与える仕組みには美しさを感じないので、オンライン秘書や事務代行を名乗ってはいますが、ずぶずぶの関係(笑)で居続けることは好まないです。
変化と不確実性の高いVUCAの時代、外注化していたプロセスを自社に再吸収したいと思ったときに、あまりにBPO業者に依存しすぎていてその再吸収ができなくなってしまった、という事例も結構聞きます。
BPOはスイッチングコストが高いので、拡大志向だった時期の古い業務設計のままずっとBPOを使い続けていて不満を溜めている、という話も実は結構聞きます・・・。
よくあるパターンが、猫の手も借りたいときに何でも巻き取ってくれるオンライン秘書・事務代行サービスに依頼をしたが、その時の古い契約形態のままで、実際にはやらなくていい仕事までやっているのではないか?という疑問やモヤモヤを抱えながらも、スイッチングコストが高いからそのまま契約を継続しているというパターン。
実際には、拡大したり立ち上げているフェイズの忙しい状況が終わって、本当に事業が安定してきたら、むしろ経営者にとって必要なのは事務代行のコストカットや内製化だったりします。
私が最近よく期待されるコンシェルジュ型秘書のサービスは、実にこの辺りの業務プロセス全般の仕切り直しが多いんですよね。つまり、「扇の要」を作る働きです。
この点については、別記事でまた説明をしていきます。